2020年1月1日水曜日

109_新年とかなんとか


あけましておめでとうございます。
昨年は友人の結婚式でフラッシュモブダンスのスタートで踊り始める人(「こいつ何してんの?」と思われるやつ)をやったのが主な業務内容です。恥の総量を逓減するための予防的統制として、プロのダンサーに個人レッスンお願いしました。

現況報告として、本日202011日から、某fintechスタートアップでジェネラルカウンセルとして働くこととなりました。
同スタートアップは昨年の3月から業務委託の形で手伝っていたので、「①弁護士業務、②監査法人、③スタートアップ企業」という業務内容は変わらないのですが、徐々に③の比重が大きくなったため、実態は変わらずに契約形態(と肩書)に反映させたという感じです。

なので、せっかくなのでスタートアップにて約3/4年働いた時点での感想をいくつか。
業務範囲の広さについて
業務全般に関する感想としては、とにも業務範囲が想像以上に広い(法務に限定されない)です。
メイン業務は法務ですが、例えば外部から「犯収法/個人情報保護法対策を強化して欲しい」と言われた場合には、法律をクリアしさえすればいいものではなく、いかに現実のオペレーションに負担をかけずにリスクを抑えられるかが求められますし、資金調達スキームを検討するには会計上のインパクトを検討しなければならないので、監査法人と色々やりとりしたりしています。
また、経営戦略上のリスク(アップサイド/ダウンサイド)をいち早く認識し共有することや、新しく規制が入りそうであるならば働きかけを行ったり(パブリックアフェアーズ)情報を共有することも重要です。
加えて、コーポレート部門の一員として、人事含め様々な制度設計、イベント、業務配分等の検討も行う必要がありますし、会社の一員として一般的な他社とのコミュニケーションなり人材集め等にも関わります。
要は、(自分のキャリアに起因するところもありますが)自分が想定していたよりも「法務」という機能は画一的なものではなく「経理、総務、財務、人事、労務、リスク管理、管理統括、パブリックアフェアーズ、IPO準備、内部監査」等々との垣根はほとんどなく、手を出そうと思えばいくらでも手をだせるというのが、当初抱いていた期待を良い意味で超えてきた点です。
特にリスク管理(と内部監査)は、「会社全体を詳しく理解していること」と「(専門的知見がなければ認識できないものも含めて)リスクを認識/評価/対応すること」の両方が求められるので、専門知識、ビジネス理解、交渉等のソフトスキルのみならず、他部署の人と密にコミュニケーションを取ること等も含めて、いくら勉強してもしたりない気がします。内外における交渉は、まさに「全人格的説得」という要素もあります。

法務全般についてのいくつかの感想
法務に関して、弁護士業務と異なる点は細かく挙げるとたくさんありますね。
第一に挙げたいのは、「自分で法的問題を発見しなければならない」点です。
ビジネススキームや契約書上の問題点はもとより、機関設計、資金調達、各種提携、人事、広告、情報管理、福利厚生等々、あらゆるところで法的(加えて会計、税務、広く経営管理上。以下略)リスクが生じうるので、それらをいち早く認識することが求められます。
第二に、問題点を指摘するだけでは終わらない点です。
「法的にリスクがあります」で終われば苦労はなく、「いかに実際のオペレーションに併せて法的リスクを軽減するか」なり「相手方を説得するか」なりが求められます。
前者では普段からのオペレーション側とのコミュニケーション、後者は普段からのコミュニケーションと肩書が重要です。なんだかんだ資格は強い。
第三には、やはりボッチ法務の責任の重みでしょうか。
下手に法的解釈で間違ったことを言うと大変なことになります。しちゃいけないことをできると言ったり、すべき手続を抜かしていたり。強い外部顧問弁護士がいるので難しいところは質問しますが、何でも質問するわけにもいかず、そもそもリスクを認識する必要があります。なので、必死に勉強します。
その他の点でいうと、よく「インハウスは契約書レビューばっか」というのがありますが、あまりないですね。定型的な契約は雛形を使いますし、規模が小さいと非定型的な契約はそんなにないです。
他方で「事業会社が弁護士に見せる契約書はごく一部」というのはそうですね。まあ、自分が入ってるからというのもありますが、どうしても弁護士は費用がかかるという認識があるので、リスクと勘案して弁護士にチェックしてもらうかを決めてると思います。
あとは「法務はキャリアプランが見えない」というのもよく聞きますが、法務のキャリアプランで鍵となるのは、上述したところでいうと「会社全体を詳しく理解していること」と「法律以外のリスクを認識/評価/対応すること」点かなと思います。この2つができれば、GCのみならずCRO(リスク)や管理部長的なCOOとして重宝されると思いますし、資金調達もできればCFOもいけて、文字通りのNo.2になれると思います。
 
「コミットメントシフト」について
上述のとおり、今は3つの仕事を兼業しつつ、軸足をスタートアップ企業に移しているという感じです。これについて「転職」と違い職を転じてはおらず、他方で重点は動かしているので単なる「副業」なり「N足のわらじ」とも違うなと思っていたのですが、最近、「コミットメントシフト」というちょうどいい言葉を教えてもらいました。
>「転職」が無くなる時。“コミットメント・シフト”の時代。 古屋星斗
自分の周りの専門職の人がスタートアップにジョインするのも、「前職を辞めて...」というより、このコミットメントシフト型が多い印象です。専門職はコミットメントシフトしやすいのでオススメです。

その他、仕事量等について
今のぼっち法務(しかも兼業)は責任が重く、勉強量も業務量も相応にあります。まあ、スタートアップなんて、内部的にも外部的にも、仕事も勉強事項も大量にあります(特に内部的には(法的リスク含め)リスクマネジメントと仕組みづくり、外部的には規制関連)。
なので激務しようと思えばできてしまいますし、しないとリアルに会社がなくなるという危機感があります(スタートアップはほんとびっくりするぐらいすぐに消えてしまいます。即独した弁護士みたいな)。
まあ、一般論として、同じ激務でも、つまらない業務を孤独にするのと、楽しくできるのとでは、成長速度もストレスも段違いだと思います。「激務するにしても、ここでするのか?」というのは、常に問いかけたほうが良いです。報われるもあれば、報われない激務もあると思います。一般論として。
今のスタートアップの仕事は、業務面と人的面から言って、とても楽しくストレスフリーで勉強にもなり、キャリア形成なりSOなり考えると待遇面でもとても良いと思います(待遇等々色々聞きたい人は直接会えばお話します)。

このブログについて
またちょっとブログ記事を書こうかなと思ってます。この記事を書いてて思いましが、アウトプットすると色々整理されて良いですね。
何を書くかはあまり決まってないですが、ブログタイトルに反しない範囲ということで、スタートアップにおける業務、規制関連、読んだ本、旅行(レバノン行きたい)等。

ではでは

2019年9月15日日曜日

108_令和元年の司法試験

ご無沙汰してます。
この前の司法試験の合格発表がありましたね、合格された方はおめでとうございます。
合格された方は、東京くんだりまで来ていただければ、お祝いなり多少のアドバイスはできるので、メールミー。
京大LSの合格率を見てみたら、LS全体もさることながら、未修者の初年度合格率が非常に高いですね。自分の代以降の3回は連続して初年度から6,7人合格していて、とても良いことだと思います。
仕事が始まってしまえば、司法試験の受験回数なんて意味がない(仕事や事務所との相性のほうが5000兆倍くらい大事)なので、今年不本意な結果となってしまった人も、あまり気にせず頑張ってください。ちなみ自分のいるベンチャー@青山でインターンしたい人がいればテルミー。

せっかくなので資格の良いところを駄文ベースでいくつか。
資格の良いところの一つとして、兼業がかなりしやすいことが挙げられます。
昨今の自分は、①弁護士業務、②(古巣の)監査法人でのアドバイザリー、③ベンチャー企業での経営管理全般、の3つを兼業してる感じです。自由バンザイ。
兼業してると、自由に働いたり休んだりできる&業務に飽きても別の業務で気分転換できる&色々見れるので、わりとオススメです。インハウスをしつつ弁護士業務をする、という人はわりといるようです。
弁護士2年目後半ともなると、弁護士業務で心身がアレな感じになってしまう人や、(自分含め)転所や転職や、かなりアレな待遇or働き方の事務所が、想像以上に多いなと感じます。将来何になりたいか&その人の性格&職場次第ですが、兼業という選択肢を頭に置いとくのはわりといいんじゃないかなと思います。
※事務所選びで悩んだら、その事務所の弁護士一覧のページをweb archivesに突っ込んで、過去にどれくらいの人が辞めているかをチェックするのオススメです。

もう一つ、資格の良いところとして、何かしら頑張ってれば、その頑張ったこと+資格でわりと需要があるところが挙げられると思います。
弁護士にせよ会計士にせよ、資格の前後あるいは資格と並行して様々なことを頑張り、両者をうまく生かしている人がたくさんいます。
音楽だけで食べていくのは難しくとも、音楽業界の知見+資格があれば、音楽の世界で重宝されたり、元プロゴルファーの人が接待で非常に重宝されたり(仕事も大変できる方です)。
他方で、
なので、とりあえず何かしら頑張るといいと思います。自分も将来どうするか悩んでます。また(経済学で)大学院に行きたいなと考えたり。青春は長いな。


そういえば、今年度は法科大学院の入学者数が少し伸びたようですね。法科大学院(不)人気も底を打ったようで何よりです。
今の弁護士業界は、エンジニア業界のように「ブラック企業(エンジニアを使い捨てる企業)がたくさんあり、優秀な人材は不足し、転職が盛ん」みたいな感じだと思います。なんだかんだ言って、今のエンジニア市場の高騰のように、(優秀な)弁護士人材も高騰するかもしれません。弁護士が企業価値の向上に貢献できれば、ですが。

2018年9月11日火曜日

107_平成30年司法試験

ご無沙汰してます
今年の司法試験、京大未修の合格率すごいですね、感動しました。
京都未修の合格者の方は、面識ない方でも、東京まで来ていただけたらご馳走します。
メールミー!

2018年1月12日金曜日

106_近況報告

ご無沙汰してます
簡単に近況報告しますと、無事に二回試験に合格し、都内某所で働いてます。
もし事務所名を知りたい人がいましたら、メールいただければお送りします(自分の名前で弁護士サーチすると出てきます)。
もし就職でも仕事でも好奇心でも、会計士と弁護士のダブルライセンスに興味がある人がいたら、ご連絡くださいな。

色んな人に連絡しなきゃいけないと思いつつ、2回試験後からニュージーランドに行ったり引っ越したり姉が出産したりなんやかんや忙しくて不義理な状況です。
仕事が落ち着いたらまた連絡したり諸々再開したいと思います。


せっかくなんでそのうちニュージーランド旅行の話を簡単に。
ニュージランドは原則的に(特にキャンピングカーじゃない車での)車中泊が禁止されています。
そこで、「wiki camp」というアプリをDLし、
地図の「without Self Contained Vehicle Only」をNoに、「Cost」をWithout Costにフィルタリングすると、
下記のような感じでレンタカーでも無料で車中泊できる場所を地図で探せるようになります。


日本から登山用の調理器具(登山用ガスストーブ、コッヘル、キッチンバサミ(まな板不要)等。ガスボンベは現地調達)を持ち込み、現地のスーパーで食材を買って料理するととっても楽しいです。
ムール貝とラム肉をアホみたいに食べてきました。

ニュージーランド旅行のGPSログ。レンタカー総走行距離は8895km
※Arthers pass → Kaikoura → Picton をログ取得し忘れ


ニュージーランドみやげ

ではでは

2017年9月13日水曜日

105_拾う神あらば捨てる神あり

その両方と手をつないだら

お久しぶりです,2017年度の司法試験の合格発表がありましたね。
今年は京都未修の合格率が高くて,喜ばしい限りです。

合格された方はおめでとうございます。
P志望の方は,早いうちに検察庁説明会があるので,申し込みましょう。
不合格となってしまった人には,残念ではありますが,辛いときには誰かと話すのが非常に大切だと思います(一人だと無駄に凹みがちと,最近,痛切に感じます)。
「負けたことがある」というのはいつか大きな財産になったり,ちょっとぐらいの絶望も長い目で見れば極上のスパイスになったりするんじゃないでしょうか。
頑張りを見てる人は意外なところにいるもんですよ,ほんと。

修習について話をききたい人は,ブログじゃ書けないので,メールでも直接でも色々とお話しします。
1年というのは長いような短いようなで,結局,自分は弁護士になるのですが,
自分の行く事務所は弁護士・会計士のダブルライセンスでチームを組んでやっていくところで,
自己受任が自由かつ(少なくとも当面は)事務所に経費を入れなくていい,という素晴らしい事務所なのですが,
その代わり,色々とぬるま湯要素の全くない事務所です。
幸いなことに,事務所の人には非常に恵まれていそうなので,喜ばしい限りです。

弁護士・会計士としてやりたいことは概ね決まっており,法的・会計知識の研鑽に加え,
各種分野(弁護士含む)のスペシャリストとの連携,金融やITといった周辺分野の知識も必要なのですが,
これらをどのように構築し,役立てられるか,果たして自分にはどのような需要があるのか,当面の検討課題となりそうです。
弁護士も医者の専門医制度みたいのが欲しい気もしますが,誰がどう認定するかで議論になりそうです。
(刑事弁護については「弁護士が選ぶ刑事弁護人」がありますね)


時の流れは,崇高なものを,なしくずしに,滑稽なものに変えてゆく。 何が蝕まれるのだろう。
もしそれが外側から蝕まれてゆくのだとすれば,もともと崇高は外側をおおい,滑稽が内奥の核をなしていたのだろうか。
あるいは,崇高がすべてであって,ただ外側に滑稽の塵が降り積もったにすぎぬのだろうか。
三島由紀夫『奔馬』

2017年7月29日土曜日

104_interlude

諸事情によりブログが休止していますが,質問等ある方は,メール等をいただければ対応いたします。
どうぞよしなに

2016年5月20日金曜日

082_勉強法など

未修者向けに,自分の勉強方法,自分が言われたこと,反省点等。
司法試験の結果が不明なので,参考になるかは不明。質問等あれば個別に。
第1. 総論
1 全般
(1) 未修で合格を成し遂げたいのなら,断固たる決意が必要
(2) 法律に限った話では無いですが,他の人と同じことをするのが絶対的な鉄則。他人と概ね同じ基本書を使い,他人が解くであろう過去問や演習を解くのが大事。
(3) 勉強時間は嘘をつかない。忘れるのは当たり前。何度もやるうちに思い出すまでの時間が短くなってくる&試験本番でアドリブがきくようになる。
(4) 世の中は,色と酒とが敵なり。江戸時代はネットが無かったですが,現代はネットも敵なり。遠ざけましょう。スマホはロッカーにぶち込んで,PCはデバイスマネージャーで無線LANを殺してました。
(5) よき友には三つあり。一つには,物くるる友。二つには医師。三つには,知恵ある友。害悪にしかならないような奴もいないこともない。

2 体調管理
(1) 長丁場なので,体調管理は気をつけよう。特に,寝不足は精神的ダメージ的にも勉強効率的にもダメゼッタイ。自分は入学前は7時間半睡眠でしたが,5時間は必須。食事は学食のサラダバーでブロッコリーとか,100円ローソンで煮干しとチーズとか,ダイコクでサプリとか。
(2) 11月~12月にはインフルエンザの予防接種を受けるべし。毎年,インフルエンザで大変なことになる人が発生する。1月中旬くらいまでなら受ける意味がありそう。

3 予備校について
(1) 個人的には答練だけでいいんじゃないかなと思うけど,予備校メインで合格してる未修者が結構いるのも事実。授業との両立が可能かは不明。
(2) 答練は伊藤塾しか受けてないけど,話を聞く限り辰巳の方がいいんじゃなかろうか……という印象。
(3) 各予備校の全国模試や受験新報,ハイローヤーのヤマは,参考にはなる(今年なら行政の原告適格,刑法の共犯の承継,刑訴の逮捕&接見交通辺りは多くの人がヤマをはってたと思われる)。"みんなが解けてるのに自分は解けてない"というのは避けられる。一読してみて,マイナー論点に多くの予備校がヤマをはってたら気をつけよう(今年なら接見交通権)。
(4) 予備校出版のテキストは『趣旨規範』と,たまに受験通説を確認するために『呉明植 刑法(※拾った)』『工藤北斗の合格論証集(刑事)』を使ったくらい。Wセミナーの『論文基本問題』なんかは買ったけど全然やってない。演習書は良いのがたくさん出てるから,別に予備校のじゃなくてもいいと思う。

4 自主ゼミ
(1) みんなでやると楽しい&教え合うことで知識が定着する&やる気を維持できる&色んな情報が手に入るが,ペースを拘束されてしまう&なんだかんだ時間がかかるのが悩み。自分は自分のペースでやらないとすぐにつぶれるタイプなので,3年後期に過去問と答練をやったのみ。
(2) ①忌憚なく意見が言えて,②そこそこ優秀かつモチベーションが高い人,なら誰でもいいんじゃないかしらん。未修既修や内部外部や男女の割合とか,別にそんな気にせんでも。ただ,ある程度の優秀さがなければ時間の無駄になり得るし,他人のモチベーションを下げるような人は避けるべき。社会人がいると就活その他でプラスになるかも。
(3) 過去問や予備校の答練なんかをみんなで時間を計って解き,「なんでこれが問題とならないのか」「この論点はどう理解すべきか」なんかをみんなで話し合う。某伊藤塾の答練の解説(特に憲法)にみんなでツッコミを入れるのは楽しい。演習書(e.g.『刑法事例演習』)もゼミでやるかは微妙。解説がしっかりしてるものは独習の方がいいんじゃないかというのが個人的感想。
(4) 多目的室(or図書館の個室)でホワイトボードを使うと吉。リフレッシュルームやラーニングコモンズは問題を解くにはうるさすぎる。土日は開いてないので注意。
(5) 知識が定着していない未修1年の段階では,ゼミでの答練はほとんど意味が無い(疑問点は他人に聞くよりも基本書等で調べた方が正確&早い&調べるスキルがつく)ので,授業課題の答え合わせや,授業の軽い復習程度にとどめとくのがいいかと。

5 暗記のtips
※自分は暗記がかなり苦手なので,なんとか暗記を楽にしようと工夫しました。
(1) 規範は読み上げサイトでmp3にして,常日頃から聞いてると,否でも耳に付く。スキマ時間の活用にもなる。
e.g.処分性の定義,将来給付の訴えの利益
(2) 「表(マトリクス)を書いて色を塗る」というのはオススメ。色の形でなんとなく覚えられる。
e.g.不可分債権と不可分債務と連帯債務,制限行為能力者と無権代理と解除の催告,代理と委任と組合の後見開始や破産
  発起設立と募集設立と新株発行,自己株取得の手続的例外,刑法の必要的/任意的な免除or減免or免除etcetc
(3) 語呂合わせは嫌でも頭に入る。
e.g.さぶちんぽ(放火対象物の他人性)
※この「さぶ」をどう捉えるかは人によって違うんじゃないかな。①sub,②さぶい,③さぶ(雑誌)。自分は②。
※余談ですが,ノルウェー,スウェーデン,フィンランドの位置関係の語呂合わせは秀逸

6 反省点
(1) 学校の試験と司法試験は別物と捉えた方がいい。授業だけでは合格は無理(e.g.民法は網羅性が足りない,答案の書き方までは教えてくれない)。採点の重視する点も違うみたい(例えば,規範と当てはめのどちらを重視するか。学者は前者を重視するため,答案で抽象的な規範だけで早々に「本件では……」と書きだすのはよろしくない,と考えるみたい。他方,実務家は規範がゆるくても当てはめで事実を拾っていれば点数が来るみたい)。もっとも,今はローの未修者フォローがかなり手厚くなったので,マシになったかもしれない。
(2) 短答は常日頃から少しづつ解いておくべき。特に民法。『考える肢』や『肢別本』等はスキマ時間に出来るのでオススメ
(3) 答案は早いうちに必ず一度は誰かに見せる(e.g.伊藤塾の答練ならば提出する)べき。横着して書きっぱなしにしてたら直前期に痛い目にあった。
(4) 演習は基本書と同様に早めに解いておくべき。司法試験直前の2日間で初見の演習書5冊を終わらせるとかいう無茶なことをする羽目になる。
(5) 時間が有るなら,百選は事案含めて潰しといた方がいい(重要性の低い分野は除く)。未修者はできれば,2年次の授業開始までに,その授業の範囲の百選を潰したい。
※その際,答案で使えそうなフレーズがあったら抜き出しておくと吉。今年の司法試験で言えば,共謀の解消での
 「被害者においてなお制裁を加えるおそれが消滅していなかったのに,被告人において格別これを防止する措置を
 講ずることなく,成り行きに任せて現場を去ったに過ぎない」辺り。
 判例の文言を使うと,「こいつ判例読んでるな」というのが採点者に伝わってグッとくる,と,
 元司法試験考査委員の若原先生の談。
(6) 3年後期の授業負担は軽くしといた方がいい。精神的にキツい。

第2. 各論(使った教材は最後に表にする)
1 税法
(1) 『スタンダード所得税法』『演習ノート租税法』をしっかりやって,最低限の規範を暗記すれば,合格点は来ると思う。
(2) 演習が少ないのが辛い。京大ロー生は,税法事例演習が役立つのでオススメ。あとは予備校の答練を集めるのが最善策な気がする。『21問』は,考えさせるという意味で良い問題もあるんだけれども,正直,あまり使えない。クソみたいな問題がそのまま載ってるので,真面目に校正はされなかったんだろうな,という印象。一読すればよろし。

2 憲法
(1) 判例がめちゃくちゃ大事。『憲法の地図』なんていう判例を整理した感じの本があるけれども,判例プラクティス等からあれを自力で作る,というのが憲法の勉強のイメージ。『憲法の地図』自体はさらっと読んだ程度なので,良いかどうかは不明。
(2) 答案作成力も大事。自分が教えてもらった(というか多くの人が必然的にそうする)のは,構成用紙を縦に3分割して,①原告のフルスケールの主張の骨子,②被告の反論(箇条書き),③②に対する賛否(○,△,×,それらの理由or肉付け),を書いてくという方法。
(3) 『憲法ガール』と『転回』(&『作法』。『作法』で悩む人向けに駒村先生が『転回』を書いた,という印象)で答案の書き方を学んで,『判例プラクティス』『Cases and Materials』で骨格を作りつつ,怪しい論点を『論点教室』でつぶし,『応用と展開』『判例から考える』で肉付けし,『憲法演習ノート』『事例研究』あたりで演習,というのが未修でゼロから学ぶ場合の王道かしらん。
※「蟻川先生の法学教室の連載(起案講義憲法。現在連載中)」は緻密だけど,裁判官が時間をかけて判決書を書くならともかく,本番で使うのは無理,という声を聞く。表現の自由は学問の自由と並んで来年出題の本命なので,読んでみてもいいかもね。
※公法総合で使う『Cases and Materials』は重要判例についてしっかり引用されているので使える
(4) 伊藤塾の憲法の答練は,びっくりするくらい使えないので注意。びっくり。
(5) 基本書は(『芦部』含め)ほとんど読んでない。多少,『憲法学読本』で学問や集会の定義をおさえた程度。ただ,短答対策には読んでおいたほうがよさげ(自分は短答憲法は苦手)。
(6) 立法裁量(立法レベルでの違憲)と行政裁量(行政レベルでの違憲)は区別しよう。

3 行政
(1) 総論(+処分性)は,列(横軸)を行為類型(行政立法,行政行為,行政計画,行政契約,行政指導,事実行為,義務履行確保etc),行(縦軸)を「処分性」「法律による行政」「手続法」「裁量」としたマトリクスを作り,各マスに判例や学説(CB,『サクハシ』,『基本行政法』)を当てはめていく,というのが勉強のイメージ。
(2) 救済法は基本書(『大橋』or『神橋』)を読めば大体なんとかなる。
※『基本行政法』は副読本としてはすごくいいけど,基本書としては厳しいというのが個人的印象。
(3) 『事例研究』『事例から行政法を考える(※近々出版されるらしい)』は必ず解くべき
(4) 理解の段階では,裁量統制の方法として,「一般原則違反」と「基準を立てて,それに違反するかを考える」の区別は意識した方がいいと思う。前者として平等原則,比例原則,目的動機,信義則,憲法上の権利侵害。後者として事実誤認,考慮不尽,他事考慮。

4 民法
(1) 民法は基本書大事。授業ノートを完璧にしても,基本書を読んでないと期末試験で死ねる。また,範囲が膨大なので,自分でノートを作るのは無謀。基本書をノート代わりにしよう。
(2) 好き嫌いはわかれるみたいだけど,『要件事実マニュアル』は個人的にオススメ。自分はこれを読んでやっと民法(or民事訴訟)の仕組みがわかった。例えば建物収去土地明渡請求に対する抗弁として通常有りうるものが列挙されてるので,その請求の場面から生じうる一連の争点が見通せる。また,実務的な要件の立て方として参考になる(e.g.不安の抗弁権の要件)。
(3) 司法試験で短答論点がポンポンだされるので,短答対策がそのまま論文対策になる。短答での配点も大きいので,短答対策(基本書と,『考える肢』or『肢別本』)をしっかりやったほうがいい。
(4) 演習は『事例で学ぶ民法演習』『事例から民法を考える』はとてもいい。もっと早くやるべきだった。

5 商法
(1) 正直,商法は会計士試験でやったので,少なくともゼロから勉強した記憶は無く,基本書はあまり読んでない。授業ノートと『事例で考える会社法』くらい。最近『事例研究』が出たので,スタンダードになる,かも。
(2) 基本書は,『江頭』は厚すぎる&索引がダメ,『リークエ』は個々の論点の記述が薄い(条文索引等はすごく使いやすい),『弥永』は内容はいいのにレイアウトや文体が妙に読みづらい等で,結局どれがいいのか困ってしまう。リークエを使いつつ,授業や江頭&弥永で補強するのがいいのかな。

6 民訴
(1) 正直,民訴は苦手科目。『和田民』と授業ノート(※『ロースクール民訴』の内容を含む)を良く読んで『ロープラ』と『基礎演習民事訴訟』を何周かする……くらいしか思い当たらない。授業で使う『ロースクール民訴』は役立つ。民訴も基本書がノート代わり。他に見るのは『ロースクール演習』あたり。
(2) 範囲が広いのに,短答ナシ&論文も配点が他と同じな上にやたらむずくてみんな初見に近い,ってなると,受験戦略的には最低限のことさえやれば良いんじゃないかしらん。
(3) 本番では初見の様に見えても,実は京大ローの授業で扱ってた,というのが結構あるらしい。
(4) 法学教室の演習や『基礎演習民事訴訟』における越山先生の遮断効の記述はちょっと気をつけた方がいいみたい。

7 刑法
(1) 事実認定と答案の書き方が大事。今年の司法試験は「殺意」「共謀の成立と解消」「反抗抑圧」という,(司法試験レベルで)事実認定がめちゃくちゃ問題になる論点だった。
(2) 『基本刑法』読んで(各論は表にまとめたりして),定評のある演習書を片っ端からやればいいと思う。『刑法事例演習』はマスト。実務家が試験委員に増えたため『事例研究』『刑事実体法演習』の重要度は上がったんじゃないかな。京大ロー生は,検察実務,刑裁演習,経済刑法は役に立つのでオススメ。
(3) 毎年,『ケースブック』が古紙回収に出されてるので,拾えると思います。

8 刑訴
(1) 捜査は『リークエ』。伝聞は『古江演習』。訴因はあまりいい基本書が無いと言われてるので,修習で人気の『実例刑事訴訟法』でもいいんじゃないかしらん(未読)。辞書的に『酒巻連載』と『安富刑訴』。
(2) 演習は『事例研究』『捜査法演習』『古江演習』辺りをやっておけばよさげ。。
(3) 伝聞証拠(特に署名押印)は考え過ぎると厄介。供述録取書とそれ以外は質的に異なる(∴供述録取書じゃなければ署名押印は不要),と捉えべきなのかな。

9 短答
(1) 『考える肢』や『肢別本』(自分は前者)を回す。ただ,自分は『過去問パーフェクト』がどんなものか知らないので,どっちがいいのか知らない。
(2) 民法は論文で短答の知識が問われる&民法の全体像を知る&司法試験での配点が大きいためにも,早め(未修なら一年目終了時くらい)に一周し,その後も何周かして知識を確実にするのがよさ気。
(3) 刑法,憲法は,できれば司法試験を受ける前年のうちに一周できればいいかな,という感じ。早くやり過ぎても忘れる。ただ,過去問と同じ問題が出る割合が高いため,必ず何周かすべき。

第3. 京大未修者の場合
1 1年前期
(1) とりあえず民法,刑法,刑訴でAを取ることを目指す。統治と家族法は短答分野であり,正直,司法試験を受ける頃には忘れているので,単位が来る程度に勉強すればいいんじゃないかい。
(2) 民法,刑法,刑訴の授業範囲の基本書(&出来るなら百選。以下同じ)を何度も読む。出来れば民法の該当範囲の短答を基本書を読みながら一周。演習を解いてもいいけど,難しいヤツはオーバースペックになるので,それより基本書をよく読むことに注力した方がいいと思う。
(3) 夏休みは,後期科目の基本書を読むのに当てるといいと思う。

2 1年後期
(1) 範囲が広い上にどれも重要な科目。各科目の判例や基本書を読むので精一杯だと思う。"広く浅く"が要求されるため,かなりしんどかった記憶。
(2) 憲法は授業で扱った判例に絞って重要な点を抑える(けど,どこが重要か把握するためにも,『憲法ガール』や『転回』&『作法』等を早めに読んだほうが良いと思う)。行政,民法,商法,民訴,刑法は基本書を何度も読む。余裕があれば民法の該当箇所の短答を解きたいけれども,そんな余裕があるかは微妙。
(3) 春休みは,まず,2年の期末試験の過去問と参考答案を見て,既修との壁を感じる。司法試験の過去問を1年分解いてもいいかも。2年前期の範囲を復習をして,民法の短答を一周。基本書の知識が定着したなら,民法や刑法の演習に手を出してもいいかもね。

3 2年前期
(1) 民法(もしかしたら商法も)以外は先輩ノートでなんとかなる。民法は,1年時にどれだけ理解出来てたかで授業についていけるかが決まる。ここでついていけないと後が非常に辛いため,最低でも民法だけは授業開始時までに授業範囲を理解しとくべき。
(2) できれば,期末試験終了までに授業範囲の演習を解いておきたい。
(3) 予備試験は受けといた方がいいと思う。一般教養さえ出来れば,運が良ければ短答は通る。
(4) 夏休みは2年後期の範囲の復習。特に民訴。

4 2年後期
(1) 2年前期とほぼ同様だけど,民訴が加わる。自分は2年後期の民訴が一番つらかった。民法同様,民訴も1年時におろそかにしてると辛いことになる。
(2) 憲法訴訟は基本的に短答論点なので,どこまでガチでやるかは微妙なところ。法曹倫理はさらに微妙。
(3) 春休みは3年前期の範囲の復習

5 3年前期
(1) 楽になるかと思いきや,あまり楽にならない。民法,民訴,人権,刑実と重い科目が揃ってるのと,検察などの選択科目のガチっぷりゆえか。どの科目もキツかった。
(2) それでも2年後期よりかは楽なので,人権や民訴を完璧にしつつ,できれば演習も解いておきたい。
(3) 3年の夏休みはダレやすいので注意。「夏休み中に家族法を完璧にするつもりが,婚姻の成立までしか終わらなかった」なんて話をしていたのを覚えている。ダレないように頑張ろう。

6 3年後期
(1) (選択で重いものをとらなければ)3年前期終了により一気に楽になる。と同時に,じわじわと司法試験ムードになる。年末までには短答を一周して,復習,各種演習本,過去問,予備校の答練などに明け暮れる。
(2) でも,個人的にはリサーチペーパーをオススメしたい。


第4.使った本
※四角カッコ内は読んでも読まなくてもよさ気な本。丸カッコ内は代替となる本。
※もちろん他にも適時,調べごと等で色々読んでます。特に刑法は『思考方法』,『楽しみ方』や『道しるべ』など多数
※新しい本がどんどん出てるので,随時確認してください。『会社法 事例研究』『民訴の高橋本』『刑訴の川出本』なんかは熱いかもね。

基本書 参考書 演習書 授業
税法 所得 スタンダード ・演習ノート
・アルマ
・伊藤塾答練
[・21講]
税法事例演習
通則 n/a
法人
憲法 人権 n/a ・転回[&作法]
・憲法ガール
・論点教室
[・LIVE本]
・21講
・応用と展開
・判例から考える
・急所
・事例研究
公法総合2,3
統治 伊藤塾のシケタイ 判例六法 考える肢 統治の基本構造
行政 総論 サクハシ ・基本行政法
・CB
・解釈の基礎
・事例研究
・事例から行政法を考える
・原田演習
公法総合1,2
※CBを読む授業
訴訟 大橋(or 神橋)
民法 総則 ヤマケイ(or 佐久間)  n/a ・京大本
・事例で学ぶ民法演習
・事例から考える
民法総合1-3
=京大本
物権 佐久間 安永
担保物権 安永 道垣内
債権総論 中田(or 潮見) n/a
契約 潮見 ヤマケイ
不当利得 n/a リークエ
不法行為 潮見 リークエ
家族 リークエ 判例六法 考える肢 家族法の基礎
商法 (全般) (授業) リークエ ・京大本
・事例から考える
商法総合1,2
=京大本
民訴 (全般) 和田民訴 リークエ ・基本演習民訴
・ロープラ
民訴総合1,2
=有斐閣&弘文堂CB
刑法 総論 基本刑法 井田 ・刑法事例演習教材
・事例研究
・刑事実体法演習
・刑法総合1
・刑裁演習
各論 基本刑法 リークエ(or 西田)  ・刑法総合2
・経済刑法
刑訴 捜査 (授業) ・リークエ
・酒巻連載
・安富
・古江
・事例研究
・捜査法演習
・刑訴総合1,2
 =有斐閣CB
・検察実務
公判

2015年11月14日土曜日

073_すれ違うEveryday

やんぬるかな、今日は(既修の方は明日も)、京大ローの入試日でしたね。
おそらく、自分と1ヶ月半ほど、同じ屋根の下で勉強することになるでしょう。

未修の方は、入学までの間に、基本書まとめwikiで評価の高い基本書をよく読むことをオススメします。
マストと思われるのは以下の3つ。以下の3つを読まないと高確率で留年します
1.基本刑法総論
2.リークエ刑訴(or酒巻先生の新しく出る基本書)
3.民法の基礎(物権)
(未修者が3年間で1度以上留年する率は50%以上なので、全く準備しない場合はほぼ確実に留年します)
※・民法総論(と債権)は改正があるので、しっかり読み込んでも改正で教科書が改訂されるとちょっとがっかり。
  総論はヤマケイ先生のか民法の基礎(総論)のどちらか、授業で使うやつを読みたいところ。
 ・担保物権は、授業で使うテキストを使えばいいと思います(合格発表くらいのタイミングで、授業で使うテキストも知らされる)。
 ・憲法四人組&家族法は、短答用に近いのでやや重要性が落ちる気がします。
  短答より、論文で使う知識の基礎固めが大事。
※リークエ不法行為、債権総論(潮見プラクティスor中田先生)、基本刑法各論、リークエ会社法、和田民訴(orリークエ民訴)、基本行政法辺りは夏休みに必ず読みませう。
※予備校本は……自分は(買ったのに)読まなかったのでなんとも。
 でも、予備校の入学前講座を受けてた人は成績よかったりします。余裕があれば受けてもいいかも。
※判例六法(orデイリー六法)も買いましょう。ちょうど発売したばっかなので。

個人的には入門書は読まんでもええかな、という感じ。どうせ授業で基本書ガリガリ読むので。
それよか基本書を読みましょう。
もっとも、社会人の方は今の仕事をきっちりやって、就職で役立てる&後腐れ無いようにしておくのも大変大事と思います。
あとは専門実践教育訓練給付の申請とか、学部生が来る前に家探しとか、会計士なら廃業登録とか。

なお、WLJの履修登録は「履修登録のときだけ使うページ」と「普段使うページ」が別なので、注意です。
「普段使うページ」に"〆切期限を過ぎました"なんて表示されてても騙されちゃいかんです。
「履修登録のときだけ使うページ(トップに『履修登録用』と書いてある)」のurlを多分教えてくれるので、そこから履修登録しましょう。
必修以外は2つくらい申請しとけばいいと思います。別に0でもOK。
公共政策の授業がさり気なくオススメという噂もあり(取ってる人はあまりいませんが)。会計等得意科目があれば申請していいと思います。


さてさて、司法試験まで更新がほとんどなくなると思いますが、どうぞよしなに

2014年11月15日土曜日

058_夢・出逢い・魔性

やんぬるかな、今日(既修の人は明日も)は入試ですね
注意事項的なサムシングは、去年書いた記事を参照してください。

去年と変わったことといえば、
・京大の北にあるファミリーマートが閉店したので、コンビニ行く際はローソンへ
・王将の朝食がなくなった
・公安の格好をするのは避けたほうが吉
くらいですかね。
※追記:あと、『ろぉじ』が閉店してして『ダブルラリアット』になっています

去年は中央食堂が土日にやってたか定かで無いですが、とりあえず、今年はやってません。
行くなら西に道を渡ったところにあるルネですかね。

まあ、未修の人は適性と書類審査で概ね合否が決まってるので、論理関係を意識して守りの答案を書ければいいと思われます。
リラックスして、普段通りの結果を出してください。


試験が終わればしばらく時間があるので、『刑法総論の思考方法』を読み込むといいと思いますよ。
来年の未修を担当すると思われる先生的に、刑法の授業が大変になる(授業の情報量が多い)と思われるので。
あるいは現在の仕事から得られるだけのもの(人脈、経験etc)を得ておくなり、司法試験後を見据えて別の勉強をしとくのもアリですね。
会計士3年目なら、インチャージの業務をしっかり理解しておくことは、入学前の法律の勉強よりも大事だと思います。
ロー生活が長くなると、仕事したいor他の勉強がしたい欲求が出てきます。仕事がしたい。IT勉強したい。

そーいえばエクスターンシップの応募を東京で出しましたが、通るかかなり心配です。
1年次にとった選択科目の成績も考慮されるそうなので、気をつけましょう......。


※追記
ちなみに、すぐ北の知恩寺(知恩院の支店的なお寺)でやっている手作り市は、毎月やっているので別に今日に行かなくてもいいと思います。

2014年9月9日火曜日

049_酔歩する男

アリューシャン列島の西端に位置し、太平洋戦争で日本軍の守備隊が玉砕したことでも有名なアッツ島は、
別名「明日が見える島」とも呼ばれるそうです。未来を見る能力が身に付いたりするんでしょうか。
海岸でムーディーブルース(ジョジョ第5部登場のスタンド)を使ってみたいですね。

それはともかく、今年の新司法試験の結果が発表されました。
     既修   未修
京都 66.5%  16.7%
東大 75.7%  20.6%
一橋 57.6%  25.0%
慶応 63.0%  16.0%
大阪 47.8%  32.9%
神戸 40.8%  08.9%
※したらばより転載

合格された方はおめでとうございます。今頃飲んでいるのでしょうか。
LS別の合格率では京大は(予備試組を除き)1位だそうですが、
既修未修別の合格率では、既修も未修も東大より低いです。
結局、合格率1位は未修者割合が低いことに起因するもので、あまり喜ばしい結果ではなさそうです。

っていうか京大未修の合格率が16.7%というの非常に(ディ・モールト!)ヤバイですね。
直近三回はなかなかいい合格率だったのですが、急落してしまいました。
かつて自分が通っていた某資格の学校みたいに過去の実績を誇張することになるんでしょうか。
過去ばかりではなく未来も見て欲しいものです。

よく見ると、今年の京大LS未修修了生の合格者数は4人。
40人程度入学して4人......。途中でかなり離脱してしまうんですね。
理想だけでこの世界を生き抜くことはできないんでしょう。
明日が見えないです。玉砕でないことが救いです。

未修合格率の全国平均も12.1%と過去最低なため、
今後は未修にとっては大変厳しい状況となるのかもしれません。

行きつけの床屋(吉田寮から一番近い)の主人は元特攻隊員で、
訓練所で訓練している時に終戦を知らされたそうです。
多様な法曹を育成するという法科大学院制度の明日はどうなるのでしょう。
無事に社会に復帰出来るのでしょうか。

なお、明日は前期の成績発表があります。明日が見えない。

2013年11月15日金曜日

032_「怖いもの見たさ」と「デペイズマン」

ついに明日から入試ですね
未修の人も既修の人も頑張って下さい。

せっかくなので、ロー棟の見学もオススメです。
百万遍の交差点に近い北向きの校門のすぐ側です(受験を行うであろう法経済学部棟とは別です)。
自習室でふんふん勉強してるのを見れば、きっと受験終了と同時に法律の勉強がしたくなると思います。

未修の受験に対するアドバイス的なものは、既に書いたやつ以外は特に無いです。
周りの受験生の顔でも見て、入学最初期の話のネタにでもしましょう。
社会人から入る人がいると思うので、「あの時グレーのスーツ着てましたよねー」とか言っときましょう。
自分は受験後に京都をサイクリングしてる姿を目撃されてました。試験が終わっても気がぬけません。

忙しい人用まとめ
・4色ボールペンは使えない(フリクションも多分ダメ)
・1行あたりの文字数が、下書き用紙と解答用紙で異なる可能性がある
・ペットボトルを落とさないように
・文房具を売ってる生協ショップは時計台の地下
・最寄りのコンビニは、吉田キャンパスの西を南北に走る東大路通(バス通り)を渡ったローソンかな。



金曜日の下から土曜日がはみ出てる
(ロシアのことわざ)

2013年10月26日土曜日

031_小論文と憲法のメモ

タイトルが適当になってる今日このごろ。

東大の志願者数が出てましたね。未修が大幅減ですか。
東大に流れたわけじゃないとすると、単純に東大京大の未修が敬遠されてるんですかね。
おそらくは司法試験対策があまりなってないと。
京都は隠れ既修が少ないのに一発合格率が良いというところをアピールしたいところです。
就職が頭ひとつ抜けてる東大ですらこの状況というのは、受験生の主眼は司法試験対策にあるんだろうなと思います。
うーん、若手教員や修了生による論文添削くらいはして欲しいと思う今日このごろ。

京都も東大も、未修の合格は簡単だと思うので、入試は最小の努力で突破して、法律の勉強をして欲しいです(このブログの目的の一つでもあります)。

未修の入試はいかんせん情報が無いので、自分を含め、必要以上に対策をすることになってしまいがちです。
しかし、事後的に見れば「そんなに対策する必要はなかった」という人が多いです。
いやまあ、どの程度なら合格するかがわかれば苦労は無いんですがね。

おそらく残っているのは小論文だけだと思いますが、
小論文は「ある程度のレベル」で書ければあまり差はつかないと思います。
・600字を9割方書ききる
・重要な点をだいたい拾う(課題文を読み解く)
・接続詞や論理的関係(必要条件or十分条件、一部or全部等、適性試験的なこと)を間違えない
・原稿用紙の使い方を間違えない。
くらいですかね。課題文の切り貼りでだいたい行けます。
そんな差がつかない感じです。
これまでそれなりにやった人なら、あとは過去問を解くくらいで十分だと思います。


それより法律の勉強です。何はともあれ法律です。それにつけてもおやつは法律。
憲法の三段階審査なんて読んでおけば、小論文の対策にもなりそうです。

最近、小山先生の『「憲法上の権利」の作法』を買いました。非常にオススメです。
人によると思いますが、個人的には最初に読んでおくべきレベル。
というか、初宿先生の本を読んでも、実際の問題が解ける気がしなかったので、早い段階でこの本に出会って良かったです。

憲法では
憲法 解釈論の応用と展開
憲法の急所
なんかも有名ですね。
憲法論点教室
もこの枠に入るかな。



短答対策に、六法の書かれたマニ車はどうだろう。

2013/11/16追記
一橋の未修も恐ろしく志望者減らしていて、京都が東大一橋よりだいぶましなことが発覚。
正直、未修は危険なルートですから、むしろそのリスクからしたらまだ多い気もする。
そう言えばローをレベル分けして補助金に差をつける旨の公表がありましたね。
京都は他学部・社会人出身者が多いですし、未修の成績もそこそこなので大丈夫と思いますが、
ギリギリのローだと、未修者の留年が多発するんじゃないかと危惧されます。
留年率を開示させるという措置は必要そうですね。


2013年9月17日火曜日

029_一重瞼と資本主義

いつの間にか女優の奥田恵梨華さんが結婚してる今日この頃。
芸能人はさん付けすべきか迷いますね。
ピーキーな性格と言われてみたい。

今回の司法試験、京都LSの未修一発合格率(25年3月に修了した未修者の合格率)は46.4%だそうです。
39人が入学して13人が合格してるので、留年を無視すればちょうど1/3が一発合格してることになりますね。

ちなみに去年と一昨年は
平成23年が43.9%(59人入学、18人合格。3.28人に一人。上位30.5%)
平成24年が41.0%(55人入学、16人合格。3.44人に一人。上位29.1%)
なので、今年だけ特別いいというほどでもなさそう。

京都は例年、他校に比べて未修の一発合格率が高いです。
新卒合格者数二桁(恣意的な抽出)なら、結構な差をつけて1位ですよ。
未修で一発合格したいなら京都!とか言ってもいいかもしれません。なんかアレですが。
京都は隠れ既修の割合は高くないと聞きますが、すごいですね。
理由はなんでしょう。1年目の民法のエグさでしょうか。
司法試験は何はともあれ民法だと聞きますからね。
あとは、良い意味で教授が未修者に対して熱心です。特に民法(上と同じことかも)。
2年目・3年目になったら何か秘密がわかるかもしれません。
ちょうど今頃ステメンを書いて出す頃だと思いますが、京都マジオヌヌメ。

ソース - 伊藤塾
http://www.itojuku.co.jp/joho_center/nyuushi/be/be2013/index.html
http://www.itojuku.co.jp/idc/groups/public/documents/adacct/doc_034831.pdf



空飛ぶたんたんめん (@km170)
今流行のクッキーを増やすゲーム、資本主義のメタファーだな。「より多くのお金を得るためにお金を得ている」手段と目的の同一化が起こっていて、その闘争から永遠に抜け出せない状態。「お前が欲しいのはお金じゃなくて、お金の先にある自由だろ!目を覚ませ!自分の人生を生きろ!」と言いたくなる。

追記:2013/09/18
ブラウザのクッキーを消去したらクッキーが全部消えた
タイムマシンでクッキー復活できないかな

2013年2月2日土曜日

016_成績開示

前に請求した成績が送られてきました。
請求方法は→008_成績開示請求を送付 

順位:半分よか良い方
総点:262.8
適性試験:275
小論文:129
書類審査:44

小論文と書類審査の点数が、換算なしで総点に含まれているとすると、
適性:小論文:書類、それぞれの総点に占める割合は、
2:3:1になります。

適性試験と小論文をどう見るか難しいですが、
適性:100点満点
小論文:150or200点満点
書類審査:50点満点
全体:300or350点満点で、2:3:1 or2:4:1
ってとこでしょうか。

あの小論文でどのくらいとれたのかはわからないですが。

2013年1月11日金曜日

015_再現答案

受験するまでは小論文というものを書いたことがなく、受験前にネットで模範答案を探したのですが、
なかなか見当たらなくて困ったので、せめて自分の分が役に立てばいいなと。
京都大学法科大学院のサイトで過去問が公表されたので、
下書きを元に再現した自分の答案を晒します。

問1(吉野は「帝国」をどのように区別しているか説明しなさい)

 吉野は「帝国」を、本来の帝が治める「帝国」と「帝
国主義と申す時の帝国」とに区別している。
 前者は、ローマ法王に委託されて天下を治める国であ
るという理念、即ち、キリスト教の教理では、神に代わ
ってこの世を治めたキリストの遺言によりその「名代」
たるローマ法王にこの「天下を治める」権利があるとさ
れるが、帝国を治める帝は、そのローマ法王にその権利
を委託されてものであるという理念を有する。その理念
の基礎には、アウグストゥス帝による平和の確立とイエ
ス・キリストの降臨との同時性に神の摂理を認めるとい
うキリスト教的イデオロギーが存在する。
 一方後者は法王とは無関係に、その国の支配権を他の
民族なり或は他の国に及ぼす国を意味する。そのため、
それぞれの意味での「帝国」が他国に統治を拡げる場合、
前者は、ある国の王だったものが法王の委託を受けて「
自分が君臨して居つた国以外に支配権を及ぼす」と捉え
られるのに対し、後者は、「自分の武力に訴へて自国の
権力を外に拡げる」ものとして、侵略主義と捉えられる。
 吉野は、前者の意味での帝国については否定的なニュ
アンスでは捉えていない。そのキリスト教信仰の立場か
ら神の意志が実現したユートピア、少なくとも「神の国」
につながる帝国を理想化する可能性は否定しておらず、
ローマ法王に委託された帝が治めるという理念を有する
「帝国」の実在には懐疑的でなかった。


問2(かつての「帝国」と比較させつつ、「近代の帝国」を説明しなさい)

 かつての「帝国」は、その内部に互いに対抗する異質
性や個別性を多様に内包しつつも、それらに対する超越
性を持って結合し、その普遍性と統一性を目指すため絶
えず外延を延長し、知られている限りの世界を包括しよ
うとする存在だった。また、その支配階層は分業体制の
下で機能した脱民族性を特徴とした。
 しかし、近代世界におけるウェストファリア体制の基
本観念は主権国民国家の相互関係を基礎とし、主権国家
システムを採用したため、かつての「帝国」はその新し
いシステムに適応し自国資本主義の市場を求めていく中
で帝国秩序と異なる原理に依拠せざるをえなくなった。
また、外国による内国干渉、外国資本の浸透は、分業ヒ
エラルキーを破綻させ、それに依存していた脱民族性は
失われた。
 結果として「近代の帝国」は、その中核となる民族が
産業化や技術革新を元に、多元的な支配構造を<擬似国
民国家>へと変容させた。即ち、支配エリートが均一の
民族で占められるとともに、国民国家を中核とする帝国
支配という二重存在あるいは「広域的多民族統治を行う
国家形態としての国民国家」として出現した。
 それ故にまた、国境を固定して領域や主権の及ぶ範囲
を固定する必要が生じ、かつての「帝国」が国境を必要
としなかったのに対し、「近代の帝国」は国境を互いに
接しながら競合する政治的統一体となった。
 
試験補足(変わるor記憶違いがあるかもしれないので、あくまで参考です)
  • 試験は3時間で600字×2問を書くものです。ここ5年はこのスタイル。
  • 回答用紙とは別に、回答用紙とは少し違う文字数の作文用紙(下書用紙)をもらえます。
    • 下書用紙はホチキス留めされてますが、ホチキスを外して良いそうです。
    • 自分は下書用紙の裏面に横書きで下書きしていました。
  • 回答用紙は25字×24列か、30字×20列だったかと記憶しています。縦書きです。
    • 下書用紙が20字だったので、ずれた覚えがあります。
  • 持込み可能なものは「黒のペン」「蓋のできる容器に入れた飲み物」「時計」のみ。
    • 四色ボールペンは、たとえ黒以外を抜いても使用不可。試験官にボールペンを貸してもらえる。
    • 修正はペンで二重線を引き、余白に書きます。
    • 修正を含めて、各問600字以内。
    • 試験開始直後に、誰かが落としたペットボトルが足元を転がっていました。落とさないよう気をつけましょう。
    • 自分はグリーン・ダカラを持ち込みました。甘すぎない&利尿作用が無くて個人的オススメ

 試験の感想
  • 1問目を書き終えた段階で2時間ほど余ってたので、余裕を持って書けるなと思ったのですが、2問目で大幅に時間がかかり、結局は回答時間ギリギリになりました。
  • 2問目は書くべきと思われた内容が課題文中に散らばっていたので、構成に苦労しました。
    • かつての「帝国」→転換の原因→「近代の帝国」、という形にまとめました。
    • 最後の「それ故にまた」以降は、試験終了直前に回答用紙が余ったので付け足したところです。